大嘗祭(だいじょうさい)とは何か?
大嘗祭とは天皇即位後、初めて行う新嘗祭(にいなめさい)のことです。
それでは大嘗祭、新嘗祭とは一体どんな儀式なのでしょうか。
- 新嘗祭(にいなめさい)って何なの?
- 新嘗祭と大嘗祭は何が違うの?
- 大嘗祭(だいじょうさい)ではどんな儀式が行われるの?
- 大嘗祭のお米はどこで収穫するの?
- 大嘗宮(だいじょうきゅう)ってどこに建てられるの?費用は?
- 悠紀殿・主基殿とホツマツタエ
- 大嘗祭はいつ行われるの?
新嘗祭(にいなめさい)って何なの?
新嘗祭とはその年にとれた穀物を天皇が神にささげ、天皇自らも召し上がり、その年の収穫に感謝するとともに、「五穀豊穣」「国家・国民の安寧」を祈願する儀式です。
新嘗祭と大嘗祭は何が違うの?
大嘗祭は元号が変わってから初めてする新嘗祭のことで、神道的に深い意味合いをもっています。古事記・日本書紀の中で登場する日本の祖先神と言われる天の神・アマテラスが地上を治めるために孫のニニギノミコトを地上に遣わしたという「天孫降臨」の神話があります。天皇はこのニニギノミコトの直系の末裔とされ、大嘗祭はニニギノミコトを天皇の体に宿し、その霊威を授かる儀式だと言われています。また、アマテラスは天孫降臨の際、ニニギノミコトに稲穂を授けたことから、お米はアマテラスの霊威がこもった作物とされ、毎年の新嘗祭はお米を食すことでアマテラスから頂いた霊威を更新していく儀式だとされているのです。
大嘗祭(だいじょうさい)ではどんな儀式が行われるの?
大嘗祭では皇居の中に大嘗宮(だいじょうきゅう)と言われる祭場が仮設されます。
その中に悠紀殿(ゆきでん)と主基殿(すきでん)と言われる建物を建て、悠紀殿で神とともに夕食を食べ、日をまたいで深夜から明け方にかけて主基殿で神とともに未明の朝食を食べます。その儀式の詳細は秘儀とされ、大嘗宮最奥部に入れるのは天皇と采女(うねめ。女官)2人だけです。
大嘗祭のお米はどこで収穫するの?
儀式で使うお米を収穫する田んぼは亀卜(きぼく)という亀の甲羅を使った占いで決めます。東の悠紀殿(ゆきでん)西の主基殿(すきでん)と言われ、それぞれ東日本と西日本からお米を作る地域が選ばれます。令和の大嘗祭は東は栃木県(銘柄はとちぎのほし)西は京都府(キヌヒカリ)の田んぼが選ばれました。夕食用が「とちぎのほし」で、未明の朝食用が「キヌヒカリ」になりました。
大嘗宮(だいじょうきゅう)ってどこに建てられるの?費用は?
<宮内庁ホームページより転載>
大嘗宮は皇居内の東御苑内に建てられます。普段から観光スポットとして一般公開されている東御苑ですが、大嘗宮建設中も継続して公開されています。
建設費用は清水建設が、見込み額の6割ほどの9億5700万円で落札したため、撤去費などを含めて14億円ほどになる見通しだそうです。当初は19憶円はかかると見込まれていたのでだいぶ費用を抑えたことになります。
ちなみにこの大嘗宮、大嘗祭後ただちに撤去され、その後の毎年行われる新嘗祭は宮中にある神嘉殿(しんかでん)で行われることになります。秋篠宮殿下が、お金をかけずに神嘉殿で大嘗祭をやりましょうよと異例の提案をしたのはそのためです。確かに一回の儀式のためだけに14億円ってすごいですよね。でも、個人的にはそれだけの意味のある儀式だと思います。
大嘗祭の当日、天皇が禊(みそぎ)や着替えにつかう廻立殿(かいりゅうでん)と悠紀殿・主基殿は黒木造りと呼ばれる皮つき丸太をそのまま使用する工法がとられます。黒木造りには自然に近ければ近いほど神に近いという日本古来の考え方が残されているのです。
上の写真で見ると、奥の方に三角屋根のついた建物が三つ三角形に並んでいますが、一番奥が廻立殿。右が悠紀殿で左が主基殿になります。本来は儀礼上、かやぶき屋根でないといけないところですが、今回は経費削減のため、板ぶき屋根が採用されることになりました。
こちらは令和元年10月13日現在の建設中の主基殿の屋根です。
やっぱり板葺きですね。残念です・・・。
こちらは同日に撮影した黒木造りの鳥居です。ひとつ前の写真の主基殿の屋根についている千木・鰹木(ちぎ・かつおぎ)でも確認しやすいですが、皮つきの丸太がそのまま使われているのがわかります。
悠紀殿・主基殿とホツマツタエ
ホツマツタエとは古事記以前に書かれた古文書のことです。(偽書とされるが、その内容から、再注目されています。)ホツマツタエでは太古の昔、東西南北の方位の神きつをさねと 暦を作って人々を養う神あみやしなうを主基宮(すきのみや)に祀り、くにとこたちとくにとこたちの子とほかみえひためを悠紀宮(ゆきのみや)に祀っていたとの記述があります。現在は供物は天神地祇(てんじんちぎ)つまり天地すべての神に供えるということになっていますが、このホツマツタエの話しが悠紀殿・主基殿の起源であるという説もあります。
大嘗祭はいつ行われるの?
一応日にちも書いておきます。
令和の大嘗祭の天皇の行う上記の神事は
令和元年11月14日夕から15日未明にまたがって行われることになっています。
いかがでしたか?
実は私自身、調べるまで新嘗祭も名前しか知りませんでした(笑)
でもそれじゃダメだなと感じました。常に感謝して生きること、大きな力に守られながら生きていると感じながら生活することは、人間にとって健全で、ストレスのない生き方で、他人に優しくなれる方法だと思いました。自分の力で生きていると思ってしまいがちですがこういう行事を通して自分を見つめるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。
偉そうなこと言ってすみません(笑)
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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