朝は、舌磨きと白湯。アーユルヴェーダ的健康法。
体調が悪くなってからでは遅いと分かっていても、なかなか元気な時に健康法を勉強・実践する気にはなりません。人間関係にしても、身の回りのものにしても、なくなってからどれだけ大切なものだったかに気付くというのは世の常です。
というわけで、例にもれず持病が悪くなってきて健康を徐々に失いつつあるわたくしが、健康法を貪るように探しているのでその中から誰でも実践できる簡単なものを紹介します。
今回はアーユルヴェーダというインド大陸の伝統医学の健康法を紹介します。インドではアーユルヴェーダの医師は国家資格の取得が必要とされ、その知識や技術は中国の漢方のように現代医学を補完・代替するものとして利用されています。2000年ほど前に生まれ発展してきた、今でも続く優れた医療技術です。
その中で、誰でも今日から実践できる朝の習慣が
①舌磨き
②白湯を飲む
この2つです。シンプル過ぎて効果なさそうですが、現代医学からみても根拠がない事ではなく、調べれば調べるほど納得の理由がありました。
①舌磨き
アーユルヴェーダの古典『チャラカ・サンヒター』には「舌にたまった汚れは呼吸を邪魔し、異臭を生じるため、舌を磨かねばならない」とあります。朝起きて舌を見ると舌苔(ぜったい)と呼ばれる白く、あるいは体調によって黄色、黒色になった汚れがついていないでしょうか。これらの汚れは体調が悪い時、胃腸の調子が悪い時に増加します。アーユルヴェーダではこの汚れをアーマ(未消化物)のひとつの現れとし、病気の原因と考えます。現代医学でも食物のカス、細菌、はがれた口腔粘膜の上皮の集合体とし、体に悪影響を与えるものとしています。
・舌苔が増える原因
歯科の面から調べてみると舌苔が増える原因は口内の乾燥にあるようです。就寝中の口呼吸や、自律神経の乱れ・加齢による唾液の減少で口内は乾燥しやすい状況が生まれます。唾液には口内細菌の繁殖を抑える力があるため、口内が乾燥してしまうと雑菌の温床になってしまうのです。特に寝起きは口内が一番乾燥するタイミング。朝起きたまま朝食を食べてしまうと、口内で繁殖した細菌を体内に丸ごと取り込むことになってしまうのです。
・舌苔が引き起こす症状
・口臭
・味を感じにくくなる。
・誤嚥性肺炎のリスクを高める。
といったことがあるようです。誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)とは年配の方が食べ物や、口内の分泌物が気管に入ってしまった時におこることがある肺炎ですが、そのリスクが高まってしまいます。そのため介護の現場では舌苔の掃除も重要な仕事のひとつになっているようです。
さらに口内を不潔にして歯肉炎や歯周病になってしまうと口内細菌が血中に入ってしまい心臓病や脳疾患のリスクも高めてしまうことがわかってきています。このことから健康にとって口内を清潔に保つことがますます大切なこととされているのです。
アーユルヴェーダが舌磨きを薦めているのも、舌が汚れている人が病気になりやすいことを発見したからなのかもしれません。
・舌苔のケアの仕方
一番のケアは生活習慣の改善です。
・よく噛んでものを食べる。
・たくさん食べすぎない。
・よく喋る。
・睡眠時間をしっかりとって自律神経を整える。
など胃腸をいたわったり、唾液の分泌を増やす工夫が大切です。
また、
・口呼吸をしない。
・煙草を吸いすぎない。
など口内を乾燥させないことができればさらにいいですが、なかなかすぐにはかえられないことも多いので舌磨きの方法を紹介します。
ここまで怖い事を並べてきたのでゴシゴシ舌苔を取ろうとしてしまうかもしれませんが、舌はデリケートなので強い刺激は厳禁です。多くても一日一回とされており、最も雑菌のたまりやすいの寝起きにするのが最適だそうです。口臭を抑える効果もあるのでそういう意味でも朝がいいと思います。
磨き方ですが、歯ブラシだと刺激が強すぎる上、逆に汚れを舌に擦り込んでしまうためよくないとされています。舌磨きの道具があるので専用のものを使いましょう。
私は↓の銅製のタングスクレーパーを使っています。アーユルヴェーダで一般的に使われている形です。細く平べったい銅がU字に曲げられたものですが、その両端を持ち、舌を出します。カーブになっている方を口の奥に入れ、手前に優しく2,3回かきだします。強く使うと逆に味覚を感じる細胞を壊してしまうので、焦らず長い目でケアしていくのが大切です。
一回使っただけでは舌の見た目は変わりませんが、そのすっきり感は癖になります。個人的な感想ですが、これをした後でないとなんとなく朝食をとりたくなくなってきます。
ただ、金属アレルギーの人とかは合わない可能性もあります。そういう方には↓の金属じゃないタイプのものもあるようです。使ったことはないですが、介護の方は人にやってあげるのに使いやすいようで、こういうタイプのものを使っているそうです。
後は、口をゆすぐだけでもいいですが、私の場合はせっかくだからと朝食前ですが、歯磨きとマウスウォッシュもしてしまいます。ただ、これも別にやりすぎではなく朝食前の歯磨きは歯科医の先生も健康に良い事として薦めていました。
通っていた歯科クリニックの歯科衛生士の方の言葉で今でも心に残っている言葉があります。
「歯肉炎は歯ブラシで治す!」
この言葉を胸に歯磨き粉の売り文句に頼らず、歯ブラシで歯茎をマッサージするつもりで歯磨きをしています。昔、歯磨きしすぎると歯茎が削れて減っていくとか教わっていましたが、そんなことはないようです。多少磨く回数が多くても問題ないのです。
口内を清潔に保ちそのためにも舌苔の掃除は不可欠です。皆さんも新しい朝の習慣に舌磨きを加えてみてはいかがでしょうか?
最後までご覧いただきありがとうございました!
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