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【経費削減⁉】令和の大嘗宮(だいじょうきゅう)の細部を観察してみよう。

 大嘗祭(だいじょうさい)も終わり、本来であれば大嘗宮(だいじょうきゅう・だいじょうぐうも取り壊されるだけですが、もろもろ合わせると24億円ほどかかると言われる費用に国民の理解を得るためなのか、今回は一般公開されることとなりました。一般公開と言っても中に入れるわけではないですが、目の前まで近づき撮影することができました。

 

 

 

大嘗祭に興味がある方はこちらもどうぞ。

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本日は令和元年11月21日。この日は坂下門からしか入ることができませんでした。大手町駅で降りましたが、東京駅も近いようです。(追記:令和元年12月8日で大嘗宮の一般参観は終了しました。)

手荷物検査に時間がかかるので、混み具合によっては入場までにかなり待たされるかもしれません。この日は初日朝イチということもあったのか20分ほどで入場することができました。

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こちらが坂下門。ここから20分ほど歩きます。

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坂道を上がり、東御苑に入ると大嘗宮が見えてきます。

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建設途中のブルーシート越しでしか見れなかったフラストレーションがあったので、近づくにつれ気持ちが高鳴ります。(10月の建設中の様子↓)

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これが完成形。神々しい。木の匂いがする。

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大嘗宮内の建物の配置

 

建物の配置がわかっていればなお面白い。

ボードを撮影。見づらくてすみません。

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黒木造りがいたるところに

 

右の千木が見えるの建物が悠紀殿(ゆきでん)。左が主基殿(すきでん)です。

鳥居の奥に見えるのは女性皇族が参列した殿外小忌幄舎(でんがいおみのあくしゃ)で経費削減のため前回の4分の3ほどの規模になっているそうです。

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屋根の下を覗くと、天皇陛下が悠紀殿・主基殿の中に入られた後に皇后が入られた帳殿(ちょうでん)が両サイドに見えます。

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 天皇皇后両陛下が儀式の際、ゆっくりと歩いていた天井付きの廊下・雨儀御廊下(うぎおろうか)。

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鳥居(神門)をはじめ、悠紀殿・主基殿の千木、灯籠(とうろう)などいたるところで皮をむかずに丸太のまま使う「黒木造り」が見られました。

 

南神門

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西神門。

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このきつそうなところに立っているのが北神門です。

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黒木灯籠(くろきとうろう)

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 経費削減した箇所はどうなった?

 

お供えを調理した膳屋(かしわや)。経費削減のため木造からプレハブになりました。景観を壊さないデザインにしたらしいです。おしゃれ。

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紫垣のデザインと調和しています。ちなみにこの柴垣はクロモジの枝で作られており、大嘗祭の折りにはこの柴垣に熱湯をかけ、クロモジの香りの付いた湯気を辺り一面に立ち昇らせるのだそうです。柴垣にかけられているのは椎の木(スダジイ)の枝で、縄文時代に日本人の主食であった、いわゆるドングリの木の枝です。

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同じく木造からプレハブになった新穀を保管する斎庫(さいこ)。屋根がやや気になるが問題なく調和しています。

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こちらはちょうど正面から見ると真後ろにあたる、天皇・皇后両陛下が装束に着替えられた廻立殿(かいりゅうでん)です。意外にも4つの神門で囲われた神域からは外れていることがわかります。千木や鰹木はついていませんでした。

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 今回最大の議論を呼んだ経費削減が、この悠紀殿・主基殿・廻立殿の屋根を茅葺(かやぶき)から板葺きに変えてしまったところです。

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普通に見たら緻密で丁寧な仕事が伝わってくる立派な板葺きですが、個人的には茅葺を見てみたかった気がします。
 

 

 

悠紀殿と主基殿は千木の形が違う!

 

左は悠紀殿の千木(ちぎ)。右は主基殿の千木。

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ご覧の通り、一枚目の写真の悠紀殿は内削ぎ(テッペンの切り口が水平)で、2枚目の写真の主基殿は外削ぎ(切り口が垂直)になっています。おそらく悠紀殿は伊勢の内宮と関りがあり、主基殿は出雲大社と関りがあるのだと思います。千木の形状だけでなく、悠紀殿は東日本のお供え物。主基殿が西日本のお供え物というのも2社の位置関係とも符合するからです。外削ぎは伊勢の外宮とも考えられますが、「伊勢のお参りは外宮から」と言われているので、悠紀殿から始まるこの儀礼と矛盾が生じてしまうためそういった意味合いはないと思われます。

 

 細部の驚き

板壁のように見えますが全部、畳のような素材でできていました。

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こんな感じです。

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目立たない場所も黒木造りでした。

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階段の木の使い方も贅沢。

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ん?

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以上、大嘗宮一般参観のレポートでした。人生でなかなかできない体験ができて興奮しました。一般参観期間中、皆さんもご興味ある方はぜひ足を運んでみてください。

 

最後までご覧いただきありがとうございました!