東京五大神社の大國魂神社の歩き方。(東京都府中市)
東京5大神社のひとつ大國魂神社。他の4つ(靖国神社、明治神宮、日枝神社、東京大神宮)は都心にありますが、この神社は23区から少し離れた府中市に鎮座します。武蔵国(むさしのくに)にあった大社6社を一か所に集めてきた神社だったため、かつては「武蔵総社(むさしそうしゃ)」あるいは「六所社(ろくしょしゃ)」「六所宮(ろくしょぐう)」などと称していました。
正面の鳥居から入る時、左右の大ケヤキのご神木に目を奪われます。コンクリートの街の中に不釣り合いなほど太いケヤキです。裏側から見ると分かるのですが、中はやや空洞になってきています。
この大きな鳥居は御影石(みかげいし)でできています。
参道がまっすぐ続きます。
広い敷地と長い参道。この写真からはなかなか想像できませんが、お正月はこの両脇に屋台が並び、石畳に並ぶ人の列はこの参道を突き抜けます。先ほどの鳥居をはみ出し境内を出て正面のケヤキ並木の道路まで続くことになります。覚悟していかないとお正月からぐったりしてしまうので注意しましょう。
参道の先にある随神門(ずいじんもん)をくぐります。改装されたばかりで新しい大きな扉にピカピカの菊紋が映えています。神々しい輝きです。
苔むした風格のある狛犬の前を通ります。
その先に見えるのが中雀門(ちゅうじゃくもん)。
中雀門をくぐったら、いよいよ拝殿です。1667年、火事で失われてしまった本殿を徳川四代将軍・家綱の命により再建したものです。
御祭神とご利益
主祭神は大國魂大神(おおくにたまのおおかみ)。
出雲大社の祭神・大国主神(おおくにぬしのかみ)のことです。
天上界の神様達が、地上の神様達に力づくで国を譲らせる「国譲り」の神話がありますが、地上の神様達の親玉がこの神様です。由緒書きによると大昔、武蔵国を開き、人々に衣食住を教え、医療法やまじないの術を授けた方だったらしいです。大黒様と同一視され、福の神・縁結び、厄除け・厄払いの神とされています。
摂社・末社がいっぱい。
冒頭で説明したように本殿に6社の武蔵国の大社が集められた大國魂神社ですが、それだけでなく、とにかく摂末社がたくさんあります。
正面の大鳥居から入るとすぐ脇に稲荷神社があります。
御祭神はウカノミタマノミコト。いわゆるお稲荷さんです。本来は五穀豊穣を司る神。今では商売繁昌・産業興隆・家内安全・交通安全・芸能上達の守護神としても信仰されています。
少し進むと、参道脇には宮乃咩神社(みやのめじんじゃ)。
御祭神は天鈿女命(あめのうづめのみこと)です。「古事記」に出てくる神様で、アマテラスが弟スサノオの狼藉に嫌気がさし天岩屋戸(あまのいわやと)に引きこもってしまう「天岩戸神話」。外に集まった八百万の神々は何とかアマテラスを外に出そうと、アマテラスの代わりにすごい神様が来てくれたと嘘をつき、楽しそうな宴を催しおびき出す作戦に。気になり顔を出したアマテラスを引っ張り出し無事作戦は成功します。その偽物の宴の中心で美しい舞を踊る役目を務めたのが御祭神・アメノウズメです。
この神話からこの時の舞は神楽(がぐら)の起源とされ、アメノウズメは芸能の神様とされることとなりました。また、この宮乃咩神社(みやのめじんじゃ)では安産の神様ともされています。
この神社で源頼朝が使いをたて、妻・北条政子の安産を祈願したとの言い伝えもあります。
社殿 脇に小さな穴の開いた多くの柄杓(ひしゃく)が奉納されています。穴の開いた柄杓から水が抜けるように、お産が軽くなるよう願いを込め奉納されたものです。無事安産だったら感謝の気持ちで再び奉納するという習わしがあるそうです。ちなみに柄杓は拝殿横の授与所で1500円で購入できます。(2017年現在)
気付きにくいのですが、本殿裏を囲むように多くの末社が並んでいます。
向かって左から回ると、最初に見えるのが水神社です。
御祭神は水の神様と賀茂神社(京都)の神様。手前の小さな社の前に設置された竜頭口から地下水が湧き出ています。お水取り(神社でもらった水を飲む開運法)にも使われています。
つづいて松尾神社です。
醸造・開拓の神様が祀られています。酒、醤油、味噌、麹等の業者や開拓関係者の信仰が厚いそうです。
こちらは辰巳神社。
祭神は市杵嶋姫命(いちきしまひめのみこと)。水の神様。子供の守護神ともされています。
次は東照宮。
御祭神は徳川家康公。現在の境内周辺は、御殿を作って鷹狩りするなどした家康ゆかりの地だそうで、二代将軍徳川秀忠の命によって造営されたと伝えられます。
最後は住吉神社・大鷲神社(おおとりじんじゃ)の合祀神社。
住吉の神様は海上守護の神様・除災招福の神様。大鷲の神様は元は武運を守護する神様として信仰されていましたが、現在では「おとりさま」と呼ばれ開運・商売繁盛の神様とされています。
長くなりましたが、以上です。 全部お賽銭しようとすると8枚硬貨が必要です。小銭を作っておきましょう。(私は全部回る時は、本殿以外はたいてい手を合わせるだけにしてます。挨拶だけでも敬う心があれば通じます。)
大國魂神社の隠れたパワースポットはコレ!
摂末社だけでなく敷地内の木もすごいです。本殿裏には大銀杏のご神木があります。
樹齢はおよそ1000年。幹回りは約9.1m。手を合わせれば産後の弱った母体を
回復させてくれる御利益があると伝えられます。
東照宮裏の駐車場にも、ものすごいケヤキ。樹高29m。
幹回りは7.2m
これはご神木ではありませんが、府中の名木百選の一本とされています。
スピリチュアルなエピソード
本殿裏を回っていると鳥の糞が頭に落ちてきました。これは縁起が悪いと思ってネットで検索してみたら吉兆だそうです!こんなことめったにないよなと思い、運試しにおみくじを引いてみました。
なんとその結果がコレ!
でしょうね。
未練が残り、スクラッチも買ってみましたが、しっかり外れました。吉とは人生の中に隠れているものです。お金が当たることが吉とは限りません!(負け惜しみ)
アクセス。
武蔵野線の府中本町駅で降ります。
右に進み、階段を下りてもそのまま道なりに行けますし、階段をおりずに階段横を抜け右に進んでも、まっすぐ行けば大國魂神社にたどり着きます。どちらも徒歩5分ほどです。
階段下りずに右に進んでもすぐこの大きな鳥居が見えてきます。
最後までお読みいただきありがとうございました!
近くの一人飯情報。