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意外と知らない銭洗いの作法。 井の頭弁財天(東京都三鷹市)

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こちらは井の頭公園井の頭池。休日ともなるとカップルや家族連れでにぎわいます。池の白鳥ボートもご覧のように大盛況。日によってはなかなか景色を見ながらのんびり漕ぐっていう雰囲気でもないかもしれないです・・・。

 

橋をはさんで反対側の池は白鳥のボートは入れず、こちらは本物の鴨が泳いでいます。

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井の頭池はかつては豊かな水が湧き出ていて、神田川の源流となっていました。この池の周辺は大規模な遺跡群があり、旧石器時代の遺物や、縄文時代の住居の跡も多数見つかっています。武蔵野台地(東京・埼玉周辺)ではこのように湧き水の周辺に遺跡が集まることが多く、そういった遺跡の代表的な場所の一つに数えられています。

 

 

 

 

御祭神と御利益

この井の頭池の西の隅っこに鎮座するのが井の頭弁財天です。平安時代に関東源氏の祖・源経基(みなもとのつねもと)が創始し、後に源頼朝が再建したと伝えられています。

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御本尊は宇賀弁財天(うがべんざいてん)で秘仏とされており、12年に一度の巳年(へびどし)に数日間だけ御開帳されお参りができるようです。(次の巳年は2025年です。) 

 

弁財天とは七福神の一人に数えられる琵琶を持った女神様として有名ですが、こちらの御本尊は八本の腕をもち、頭に宇賀神(うがじん)と鳥居を頭に載せた姿をしています。宇賀神を頭に載せた弁財天なので宇賀弁財天と呼ばれています。

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Wikipediaより転載

by  663highland  

 上の写真は滋賀県竹生島・宝厳寺の弁才天座像ですが、同じように八本の手を持ち、頭に鳥居と宇賀神が載っているのがわかります。

 

弁財天はもとはインドの水の神様とされており、神田川の源流であるこの地にふさわしい神様であることがわかります。後に仏教に取り込まれ芸術・学問の神様としても崇められます。本来の字は「弁才天」ですが、「才」の字を「財」とも書けることから財産をもたらす神様ともされてきました。

 

この宇賀神ですが頭が人間、胴体が蛇という人頭蛇身の神様です。水・五穀豊穣の神様とされており、日本に仏教が入ってきた後の神仏習合の流れの中で弁財天と同一視されるようになった神様です。御開帳が巳年なのも宇賀神の体が白蛇とされるからだと思われます。

宇賀神については詳しく別の記事にも書いていますのでそちらもご覧ください→リンクはこちら

 

 

 

井の頭池に伝わる宇賀神伝説

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(井の頭弁財天 宇賀神像)

 

この地には宇賀神に関する伝説が伝えられます。

 

昔、なかなか子ができない長者夫妻がいました。弁才天に子授け祈願をしたところ首にうろこが3枚ついた玉のようなかわいい女の子が生まれました。娘は大きくなり、結婚の話が出ると、一人で弁財天にお参りしたいと言い出したので両親は馬を先導する馬子(まご)をひとりだけつけ、お参りに行かせました。娘は馬子にお堂に一人にしてくれるようお願いしました。馬子は馬と一緒にお堂を離れて待っていましたが、すごい水音がしたので様子を見に行くと頭はそのままで体だけ白蛇になった娘が池の中を一周して水の底に消えていくのが見えました。その話を後で馬子から聞いた両親は娘のその伝え聞いた人頭蛇身の姿から、宇賀神さまが子のいない自分たちを憐れんで使いを授けてくれたのだと感謝し、宇賀神の像を井の頭弁財天にお納めしたのでした。

 

という話です。調べてみるとパターンが色々あって細かいところは違いますが、大筋こんなところです。かぐや姫にも似てますが、大人になったら元の世界に戻っちゃうって残酷ですよね。かわいい時に一緒に過ごせれば幸せということなんでしょうか。個人的には逆につらい気もするのですが・・・。人それぞれだとは思いますけど。

 

 

銭洗いの作法とは⁉

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こちらの弁天様は銭洗い弁天とも呼ばれ、お堂の後ろにはお金を洗う場所があります。最初はどうしていいのかわからなかったのですが、ネットで調べてみるとざるの中に小銭を入れ柄杓で3回ほど水をかけハンカチなどで拭いて財布にしまうのだそうです。そうすることによって、お金が何倍にもなると信じられています。お札を洗う時はびしょびしょにする必要はなく、隅っこをちょっとだけ濡らすだけでいいようです。

 

洗ったお金はどうすればいいのでしょうか?いろいろな意見がありますが、基本的には「有意義に使う」のがいいそうです。洗ってお守りのように持つのもいいですがお金はしまっておけば分裂して増えていくような性質のものではありません。やはり使うからまわりまわって何倍にもなって戻ってくるのです。気持ちよく使ってしまいましょう。清められたお金を美味しい物を食べたり、お土産を買うのに使ってもいいですし、自分にストイックな方はコンビニなどの募金箱に入れてみるのも晴れ晴れして運気が上がるんじゃないでしょうか。いずれにしても使う時に払う相手に感謝の気持ちを込めて、気持ちよくお金を使いましょう。さらにこだわるなら、神社はこの周辺の御鎮守様でもあるので、氏子さんになる神社の近くの商店街などでそのお金を使うと特に神様は喜んでくれると言われています。試してみてください。

 

↓これが欲に溺れた悪い例です。(私です・・・。)

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御茶ノ水

こちらは井の頭公園内にある境内近くの湧水池である「お茶の水」です。かつては武蔵野三大湧水池のひとつに数えられ、この湧き水が神田川の源流になっていたそうなのですが、今では湧水の減少で地下水をポンプで汲み上げているそうです。見た感じもどこから湧いているのかよくわからないくらい水が少なかったです。

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この「お茶の水」とは徳川家康が関東随一の名水とほめてお茶をいれたという伝説からその名がついたそうです。

 

 

 

お守り・御朱印

お守りは弁財天ということで金運や学芸上達の物が人気です。

 

御朱印もいただけます。

 

 

アクセス

 吉祥寺駅から井の頭公園に向かい公園内の橋を渡って右に進めば見えてきます。