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鎌倉幕府を支えた神様!銭洗いの聖地・宇賀福神社(うがふくじんじゃ)(神奈川県鎌倉市)

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鎌倉駅から歩いて30分ほどの所にあるこの洞窟の入り口から入るのは、鎌倉屈指のパワースポット・宇賀福(うがふく)神社です。「銭洗い弁財天」としても有名で全国から金運を求めて参拝客が訪れます。年末の極寒の長野を逃れ、寒さも穏やかな鎌倉の地を訪ね、銭を洗いに行ってみました。

 

 

 

 

 

御祭神

先ほどの鳥居をくぐりトンネルを抜けます。異世界への入り口を思わせます。

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トンネルを抜けると谷の中に境内が広がっています。

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そしてこちらが本宮です。御祭神は市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)が祀られています。

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 こちらの神社の起源は以下の通りです。

源頼朝は平家を討ち1183年鎌倉幕府を樹立しました。しかし、永い戦乱によって民の生活は困窮してしまい、頼朝はそのことを憂いて日夜神仏に祈りを捧げていました。すると、1185年巳(み)の年、巳(み)の月、巳(み)の日に頼朝公の枕元に老人が現れこう告げました。「北西に神の住む地があり、そこに泉が湧いている。その水を使って神仏を祀れば、人々の心に自然と信仰の心が起こるだろう。そうすれば、悪鬼、邪気も退散して国内はすぐに平安を取り戻すだろう。私こそはその地の主、宇賀福(うがふく)だ。」と言い残して姿を消しました。目を覚ました頼朝は言われたとおりに北西の谷を探すと、お告げの通りの泉を見つけることができました。そこで岩に穴を掘って宇賀神(うがじん)を祀り、その泉の水で供養を続けました。すると、国中は静かになり人々は富み栄えるようになったという伝説がこの神社の始まりです。

 

上記の通りなら御祭神は宇賀神ですがこちらの御祭神が市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)なのはなぜでしょう。

 

宇賀神とは半身半蛇の神様です。頼朝の枕元に現れたのが巳の年、巳の月、巳の日だったのは宇賀神が白蛇の化身であることにかかっているのでしょう。(いうまでもありませんが巳=蛇の意。)

 

写真は東京の不忍池弁天堂(しのばずのいけべんてんどう)にあった宇賀神像です。

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宇賀神はこのような姿をしています。(顔が若い女性の場合もあり。)

 

宇賀神のような日本特有の神様は、神仏習合の流れの中でしだいに仏教の神様と結びつけられていきます。宇賀神の場合はおそらく水の神という性質を持つためか、同じく水辺の神とされる弁財天と結びつけられました。下の写真は宝厳寺の弁財天像ですが、頭に宇賀神が乗っています。神仏習合は通常、2柱の神を同一視することが多いのですが、このようにそのまんま合体しましたみたいな習合の仕方もあるんですね(笑)

このような弁財天像は各地にみられます。

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Wikipediaより転載   宇賀弁才天坐像 宝厳寺蔵

by  663highland

 

ではなぜ御祭神が宇賀神でも、弁財天でもないのでしょうか。それは明治の廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)運動の影響です。明治初期は神道の復権の勢いが強く、仏教が虐げられた時代だったため、神道の神様に仕立て直すお寺が多くありました。もともと弁財天(仏教の神様)は水辺を守る神道の神様・市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)と同一神とされることが多かったため明治以降、市杵島姫命が宇賀福神社の表立った御祭神に選ばれたようです。

 

ややこしい。

 

 

銭洗いの起源

1257年、時の執権・北条時頼(ほうじょうときより)は頼朝の信仰を受け継ぎ、宇賀福神社を信仰し、人々にも参拝を奨励しました。するとその中の信仰者の一人が金銭を洗い清め、心身を清め、行いを慎めば不浄の垢が消えるのだ!として持っているお金を洗い清め一家繁盛、子孫長久を祈りました。それが「銭洗い弁財天」の起源と伝えられています。ネット上には北条時頼が銭洗いしたのが起源との記載もありましたが、神社の由緒書きでは上記のような説明はありませんでした。

いずれにしても700年以上も前から大切にされている歴史のある銭洗いの井です。これだけ科学が発展した現代でも、鎌倉時代の人と同じ風習を繰り返しているんだなあと思うと何だかとても楽しい気持ちになりました。

 

 

 

銭洗いの方法

宇賀福神社の銭洗いは独特の作法があります。まず小さいロウソクと線香のセットを100円で購入し、写真の下の方に写っているざるをお借りします。

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大きいロウソクの火を使い、購入した小さいロウソクに火をつけ写真のように立てます。

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先ほどの大きいロウソクでお線香にも火をつけ線香立てに刺し、その煙を浴び身を清めます。

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社殿左の洞穴の中に奥宮があります。ここに弁財天様が祀られているので参拝します。

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こちらが奥宮。賽銭の前にざるをひとまず置く台も用意されてます。

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柄杓の置いてある台にざるを置き、小銭を入れます。台の下に湧いている鎌倉五名水のひとつにも数えられるご神水を柄杓で何度かお金にかけます。後は濡れたお金をハンカチで拭いてお財布にしまい、ざるを左にあるかごに返却すれば終了です。このお金を使えば何倍にもなって返ってくると信じられています。

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お札の場合は隅っこを濡らして拭くだけでOKです。ただ、神様に強欲がばれるので小銭の方がいいと思います。本来、不浄を消すための銭洗いだということも忘れないでください。弁財天様は目の前で見ています。

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といいつつ・・・。

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ちなみに銭洗いは巳(み)の日が特に効果があると言われています。巳の日は12日に一回巡ってきます。

 

例えば令和2年(2020年)の巳の日

1月3,15,27

2月8,20

3月3,15,27

4月8,20

5月2,14,26

6月7,19

7月1,13,25

8月6,18,30

9月11,23

10月5,17,29

11月10,22

12月4,16,28

となっています。気になる方はその年の巳の日を調べて参拝してみてはいかがでしょうか。

 

欲まみれの悪い例をご覧になりたい方はこちらもどうぞ。

www.kenkobit.site

 

 

 

 

末社も忘れずに

 

階段を上った少し高い所にあるのが上之水神宮(かみのみずじんぐう)には水波売神(みずはのめのかみ)という水の神様が祀られています。

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こちらは下之水神宮(しものみずじんぐう)で同じく水波売神(みずはのめのかみ)が祀られています。

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横には一条の滝が流れ落ちています。

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 御神気なのかマイナスイオン効果なのか、境内にはすがすがしい空気が流れています。

 

 

こちらは七福神社。その名の通り七福神が祀られています。

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 他にもまだまだ見どころがあるので境内を探索してみてください!

 

 

おすすめのお守り

宇賀福神社の名物として茄子のお守りが有名だそうです。チェックしてみてください。わたくしは個人的な趣味で、金のメタルカード守り一択なのでこちらを授与していただきました。

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金のカード型守りのコレクションは画面右のカテゴリー「メタルカード守り」をクリックしてみてください。

 

アクセス

鎌倉駅から歩いて20分くらいです。タクシーだと片道初乗り740円で行けました。(2019年1月時点)

以上宇賀福神社のレポートでした。絶対行きたいと思っていた神社に行けて、銭も洗えて大満足の旅でした!

 

長くなりましたが最後までご覧いただきありがとうございました!